東海大学の秋山信彦教授が技術顧問に就任しました
- ベルデアクア広報担当
- 10月7日
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2025年10月、創立2年を迎えたベルデアクアにとって大きな節目となるニュースをお知らせします。
このたび、東海大学海洋学部 教授であり、水産分野の第一人者である秋山信彦(あきやま のぶひこ)氏が、当社の技術顧問として就任されました。
■ 背景 ― 水産業の課題に挑む、新しい技術開発
ベルデアクアは、陸上で水を繰り返し利用しながら魚を育てる「閉鎖循環式陸上養殖」の技術開発を進めています。
私たちが目指しているのは、自然環境に左右されず、安定して、安全で安心な魚が育てられる仕組みを確立することで、いつまでもおいしい魚が食べられる未来を守ることです。
その鍵となるのが、当社独自の電解ろ過技術です。
この仕組みは、常時の水替えを必要とせず、アンモニアを直接分解。
生物ろ過では難しかった「水質の安定化」と「臭みのない魚づくり」を、どちらも両立させることができます。
気候変動や漁獲量の減少、赤潮や魚病といった課題が増える中で、陸上養殖は日本/世界の水産業にとって欠かせない選択肢になりつつあります。
しかし、その社会実装を進めるには、科学的な裏づけと現場での検証の両輪が必要です。
そこで今回、長年にわたり日本の水産研究をリードしてこられた秋山教授にご参画いただくことになりました。
■ 秋山教授との協働 ― 学術知見×開発力で加速する社会実装
秋山教授は、マダコ・マグロ・サケ科魚類など多様な魚種の繁殖・育成研究を長年にわたり推進されてきました。
また、数多くの特許技術を有するだけではなく、地下海水を利用した陸上養殖の監修など、学術研究と産業応用の両面で日本の水産技術をリードしてこられた方です。
今回の顧問就任により、秋山教授の深い知見とベルデアクアの開発力を融合し、
技術の実証・改良・普及を加速させることで、持続可能な水産業の実現を目指します。
■ 秋山信彦氏 コメント
海面養殖は自然環境を利用することで大量生産が可能ですが、一方で、自然環境を変えられないため、生産可能な魚種はその地域に適合するものに限られます。
これに対し、環境制御ができる陸上養殖では幅広い魚種の飼育が可能であり、私も三保半島の地下海水を用いたかけ流し方式による研究を長年続けてきました。
ただし、この方法でも取水される水温に適した魚種に限られるという制約があります。
その克服につながるのが閉鎖循環式陸上養殖であり、ここで鍵となるのが「ろ過方式」と「エネルギー」です。
従来の生物ろ過は水温やpHの低下に弱く、水質が安定するまでに時間を要する点が課題でした。
そのような中、ベルデアクアのろ過システムは、水温などの環境要因に影響されずアンモニアを直接脱窒でき、魚を収容直後から安定したろ過ができるという画期的なものです。
さらに生産した魚に着臭がないことも大きな特徴です。
この閉鎖循環ろ過システムを使うことで、どのような魚種でも養殖可能になることは間違いありません。
このシステムをさらに発展させ、多様な魚種の養殖に利用していきたいと思います。
■ 秋山信彦教授 プロフィール
東海大学海洋学部 教授(2006年~現任)
元海洋学部長、元東海大学博物館館長
現アクアカルチャーテクノロジーセンター長
地下海水を利用した陸上養殖技術、および各種水族の繁殖・育成技術開発の第一人者
サケ科魚類の海水適応・成熟研究、マダコ完全養殖、カワハギやクロウミウマ(タツノオトシゴ)の飼育研究など幅広い魚種に対応
多数の関連特許を保有し、学術と産業をつなぐ実績を持つ
■ ベルデアクアの今後の展望
ベルデアクアは、秋山氏との協働を通じて国内外の養殖現場に革新的な技術を広げ、次世代の持続可能な食料供給システムの確立を目指して挑戦を続けてまいります。





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